十干って?
十干(じゅっかん)は
甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の総称です。
干の意味
中国・殷の時代には太陽が10個あるという神話があり、
毎日違う性質の太陽が昇ってくると考えていました。
その10種類の太陽を区別するために1日ごとに名前をつけました。
それが
干です。
その日に生まれた者は、その日の太陽の性質を受け継ぐと考えられました。
この太陽が一巡する10日間を表すものとして
旬という単位が生まれました。
上旬・中旬・下旬という言葉はこれにもとがあります。
旬の中の何番目に当たるかを表す記号が
干です。
1旬は10日ですから干は10種類あります。1週間の各曜日に月曜などの名前がつけられているのと同じ考え方です。
十干の種類と意味
十干の語源は、草木の生長過程を十段階に分けて名付けられたものです。
それは以下のようになっています。
・
甲 甲は「冑=よろい」。種子が発芽するにあたってまだ厚皮を被っている状態。訓読みでは、きのえ。
・
乙 乙は「軋=きしる」。芽がまだ伸長していないで屈曲している状態。訓読みでは、きのと。
・
丙 丙は「炳=あきらか」。草木が伸長してその姿形が明かになった状態。訓読みでは、ひのえ。
・
丁 丁は「丁壮=壮年男子」。草木の姿形が充実した状態。訓読みでは、ひのと。
・
戊 戊は「茂=しげる」。草木が繁茂して盛大となった状態。つちのえ。
・
己 己は「紀=すじ」。
草木が十分に繁茂して盛大となり、かつその筋道が整然となった状態。訓読みでは、つちのと。
・
庚 庚は「更=あらたまる」。草木が成熟して結実した結果、自ら新しいものに 再出発しようとする状態。訓読みでは、かのえ。
・
辛 辛は「新=あたらしい」。草木が枯死して新しくなろうとする状態。訓読みでは、かのと。
・
壬 壬は「妊=はらむ」。草木の種子の内部に新しいものがはらまれる状態。訓読みでは、みずのえ。
・
癸 癸は「揆=はかる」。草木の種子の内部にはらまれたものが次第に形作られている状態。訓読みでは、みずのと。
陰陽五行説と十干の組み合わせ
十干が
陰陽五行説と結びつくと
甲・乙を
木、
丙・丁を
火、
戊・己を
土、
庚・辛を
金、
壬・癸を
水 に
割り当てた上で陰陽に分け、
甲・丙・戊・庚・壬を陽の干で
兄(え)、
乙・丁・己・辛・癸を陰の干で
弟(と) と定めました。
同じ気であってもその性質に大きな差があります。
例えば、火気の陽の干である丙は太陽の光熱を、
火気の陰の干である丁はろうそくの光を当てはめることができます。
また、水気の陽の干である壬は海を、
水気の陰の干である癸には水滴をといった具合です。
陰陽説と五行説との組み合わせによって十干に新たな意味づけがなされたことがわかります。
干支と十干との60の組み合わせ
さらに、干は支と組み合わされる時、陽は陽と、陰は陰としか結びつかないため120通りではなく最小公倍数の60通りになります。組み合わせはそれぞれを歯車で例えるとわかりやすいと思います。
命主占法では
十干は
天干、
十二支は
地支ともいわれ、
十二支で
方位を
十干で生まれ持った本来の
性質を見ます。
また、十干にはそれぞれに運気を上げる色やアイテムがあるといわれています。四柱推命を見る方はぜひ参考にしてください。
五行 |
十干 |
|
五色 |
宝石 |
花 |
アイテム |
木 |
甲・乙
きのえ・きのと |
木の兄と弟 |
緑 |
エメラルド・翡翠 |
甲は桃・桜・松・梅。乙は観葉植物、竹。 |
木・植物 |
火 |
丙・丁
ひのえ・ひのと |
火の兄と弟 |
赤 |
ルビー・アメシスト・ガーネット |
ハイビスカス・アネモネ・チューリップ |
太陽・果物 |
土 |
戊・己
つちのえ・つちのと |
土の兄と弟 |
黄 |
トパーズ・シトリン |
たんぽぽ・パンジー・きんぽうげ |
山・土 |
金 |
庚・辛
かのえ・かのと |
金の兄と弟 |
白 |
パール・ダイアモンド |
百合・くちなし・カスミソウ |
宝石 |
水 |
壬・癸
みずのえ・みずのと |
水の兄と弟 |
青 |
アクアマリン・ブルートパーズ |
ヒヤシンス・勿忘草・紫陽花・ラベンダー |
海・湖・水 |